Contents
Introduction
こんにちわ。
医師のかたわら基礎研究もやっている こるく31(@cork31_naikai)と言います。
サイトにお越し頂き、ありがとうございます。
さっそくですが、日々の診療を行っていると様々な疑問が生じ、それを PC やタブレットで調べることが多いように思います。
そんな中、私は 365日 24時間 いつも ipad miniを持ち歩いているので、新しく ipad を購入された方々に「診療に役立ちそうな医療系アプリを教えて欲しい」と聞かれることが結構あります。
そこで、今回はそれをテーマに記事を書いてみました。
私はこれまで以下のような医療系アプリを研修医時代から色々試してきました。
- 医学事典
- CT 読影
- 聴診
- 内視鏡
- 医学単語のテキスト入力
- TMN 分類
- 各種スケールを網羅したアプリ
ex. 長谷川式簡易知能評価スケール etc. - 漢方薬
- 薬剤の相互作用
- 妊産婦に使える薬剤のまとめ
いきなり結論から言ってしまうと、「役に立つ医療系アプリ」はその医師の背景(初期/後期研修医, 専門科など)によってかなり左右されると思います。
そのため、今回はあくまで一例として話を進めていきたいと思います。
Result & Discussion
M2 plus

恐らく説明は不要だと思いますが、M2+は医療関連書籍を電子書籍として読むことができるアプリです。
そして、読みたい書籍はM2+のホームページで購入できます。
「購入方法」や「アプリへの書籍の追加方法」に関しては、詳しい説明がホームページにありますので今回は割愛させて頂きます。
おすすめの使い方
個人的な感想ですが、書き込みやアンダーラインがしにくいことから通読には不向きです。
一方で、検索機能がとても優秀です。
そのため、ちょっとした調べものをしたいときの「辞書代わり」として重宝します。
おすすめの書籍(おすすめ順)
今日の治療薬
薬の適応や用法/容量、副作用が載っており、とても便利です。
外来診療中などでもよく使っています。

腎機能低下時の薬剤ポケットマニュアル
様々な薬剤の腎機能低下時の減量法が載っています。
抗癌剤まで記載されており便利です。

今日の臨床検査
様々な検査の感度/特異度や擬陽性、さらには、解釈の仕方がすぐに分かります。
予想外の検査結果がでた時は、こちらを必ず確認するようにしています。
錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック
少しマニアックです。
後期研修医の頃は呼吸器内科志望ということで、人工呼吸器管理の方を毎日診療していました。
そういった方々は常用薬を胃管から投与するので、薬剤が粉砕できるかどうかを調べるために、この本を買いました。
いま勤務している病院は優しくて優秀な薬剤師さんが一瞬で教えてくれるので、あまり使っていません。

計算機能
あらかじめアプリ内に入っており、意外と充実しています。
今はほとんど使わないですが、腎臓内科をローテートした時などに使っていました。

SRL検査項目レファレンス
こちらのアプリでは様々な検査の詳細を知ることが出来ます。
初めて出す検査などは、このアプリを使って概略を確認するようにしています。
具体的には、以下のようなことが分かります。
- 検体の保存方法
- 結果が出るまでの日数
- 保険点数
- 臨床的意義
- 異常値を示す疾患・病態 etc.

その他
実は、現在私が使用している医療系アプリは M2 plus と SRL のみです。
その最大の理由は、現在はインターネットで多くのことが調べられるようになったからです。
そして、私の病院では電子カルテのパソコンで文献検索が出来るので、疾患や病態などを調べる際はスマホやタブレットではなく、パソコンを主に使うようになりました。
以下、補足です)
専門科の疾患を担当するようになると、当然ですが、なかなかアプリの医学知識のみでは解決できなくなります。
そのため、pubmed や up-to-date, 医中誌 で病態について調べるようになりました。
そして、上記以外のサイトから医学情報を得る際はエビデンスの出所がはっきりしない場合があり、注意が必要です。
また、色んなスケールがアプリ内に入っていると便利ですが、だんだんと使うスケールも限られてきました。
さらに、アプリ毎に表示画面(インターフェイス)が違うと、アプリ毎に操作方法を覚える必要があり、それが億劫になりました。
そのため、私はよく使う重症度分類や TMN 分類などは goodnote内でいつでも見れるようにしています。
最後に、厳密には「医療系アプリ」ではないけれど、以前に私が一般内科医として使っていたオススメのアプリとサイトをご紹介したいと思います。
Podcast
臨床のみを行っていた時は「NEJM this week」を時間がある時に聞くようにしていました。
こちらが良かった点は、NEJM(日本国内版)のサイトにアブストラクトの日本語訳があったことです。
そのため、それを見ながらpodcastを聞くと、臨床知識+英語のいい勉強になりました。
これは、なかなかお勧めです。

Evernote
研修医時代は毎日学んだ事をEvernoteにまとめていました。
しかし、自分好みのインターフェースではなくなったため、だんだん使用しなくなりました。

臨床サポート(サイト)

14800円/年(2019年8月現在)と高額ですが、研修医・総合内科医時代に重宝しました。
様々な疾患の概略・行うべき検査・具体的な処方(商品名込み)・診断フローチャートなどが同じフォーマットでまとまっており、見やすかったです。
現在は主に1つの科の疾患のみを診察しているので解約しました。
病院によっては、施設単位で契約していることがあるので、興味がある方は確認してみて下さい。
Conclusion
思いのほか数が少なく、期待外れだったかもしれませんが、以上が、私個人が考える「おすすめの医療系アプリ」となります。
使用している医療系アプリは少ないですが、iPad では臨床医に役立つ他のアプリ(goodnote, goodreader, office 系アプリなど)が数多くあるため、iPad miniをいつも白衣に入れています。
iPad 関連では他にも記事を書いているので、興味がある方はそちらもご確認下さい。


以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。