~ラボのある日~
10回目の投稿でようやくリバイスとなりましたが、その内容はMajor Revisionで制限時間が2ヶ月という苦行でした。
診療・育児の平常運転のなか、追加実験・原稿の修正・英文校正を何とか締め切りまでに終えることが出来ました。
しかし、満身創痍の状態で投稿画面の準備をしていたところ、思いがけないピットホールにはまり、危うく心が折れそうになりました。
幸い、複数いる私のボスのお一人「中ボスT」のおかげで沼から抜け出すことが出来ました。
今回は少しマニアックな内容ですが、「論文投稿におけるピットホール」だと勝手に確信している内容を記事にして、僭越ながら研究者の方々の一助となれば幸いです。
ちなみに、このピットホールはAACR系ジャーナルにリバイス原稿を投稿している際に起きました。
具体的な内容を見ていきましょう。
Introduction
リバイス論文を投稿する際は、reviewerのコメントにどのように対応したか「査読の返答文書(rebuttal)」を作成します。
その際、具体的に原稿のどの箇所を修正したか
「We added these results as revised “Figures X” and added the information on page X, lines X, in the revised manuscript. 」
などのように記載します。
投稿したことがある方は知っていると思いますが、AACR系ジャーナルの投稿画面でword形式の論文原稿をアップロードすると、自動的にpdf化されます。
今回、そのpdfとword形式の文書間でズレが生じ、rebuttalで記載した変更箇所との乖離が発生してしまいました。
今回はこのピットホールを一瞬で解決する方法をご紹介します。
ちなみに、あくまで解決方法の一例なので、その点だけご了承下さい。
<アップロード画面>
<PDF化された文書>

Method
下図でお示しした部分が今回取り上げている「行数」になります。
こちらが文書の形式によってズレてしまうことが今回の問題でした。

自分なりに「左寄せ」してみたり、「インデントと行間隔」「体裁」コマンドを調整したりしましたが、一向に上手くいきません。
そして、中ボスTから教わったその簡単な解決策とは「保存形式を.docにする」ことでした。
恐らく多くの方が新しいバージョンのWordを使っており、規定通りの「.docx」で保存していると思います。
これを「Word 97-2003文書(.doc)」に変更してアップロードしたところ、なんとズレが生じずに投稿することが出来ました。

恐らくAACR系ジャーナルの投稿システム上の問題だと思いますが、現行の「.docx」ではズレてしまい、古いバージョンの「.doc」だと互換性があるようでした。
Discussion
今回は私が経験したリバイスのピットホールについて解説しました。
理由はよく分かりませんが、このように古いバージョンにすると投稿が上手くいくことは結構あるようです。
かなりマニアックな内容でしたが、同じ問題に直面した方々に少しでも役立てればと思います。
最後に、Word文書中に「行数」を表示させる方法を載せておきます。
ご参考までに。
「レイアウト」→「行番号」で表示させることが可能です。
以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。