Introduction
~ある日の会話~
こんにちわ。
医師のかたわら基礎研究もやっている こるく31 と言います。
サイトにお越し頂き、ありがとうございます。
今回はブログで紹介することに理解を示してくれた Boss Y 監修のもと、英語基礎研究論文の具体的な書き方について記事にしました。
今回書く内容は、あくまで当ラボのルールとなりますので、その点だけご了承下さい。
Method
まず、論文作成の大まかな流れを紹介します。
- 実験データの取得
- Figure の作成
- Manuscript の作成
- Reference の追加
- 投稿先の決定
今回は主に、2-4.について言及していきます。
Figure 作成の注意事項
- 本質的な部分ですが、まずは実験データそのものが綺麗かどうかが重要
- 画像データの質が問題になることもあるので、300 dpi以上とし、TIFF 形式で保存
- 雑誌によっては画像データの原画を出すように言われることもあるので注意(例えば、Journal of Clinical Investigationなど)
- Figure 内のラベル(A, Bとか)あるいは文字の記載(X, Y軸など)もフォントに気を付ける
- フォントは Arial か Helvetical が多い(まずは Arial にしておく)
- ラベルの縦横をそろえる際は「配置」コマンドを使って揃える(目測で揃えない)
- 文字の場所をスペースで調節しないex. 「Erlotinib〇〇〇Afatinib」などとせず「Erlotinib」,「Afatinib」と別々に打って配置を決める。
- 赤と緑はすり合わせるとcolor blindの人が見にくいのでダメ
- Figureのいらない部分に白い四角□を張り付けて隠すのはダメ
※Illustratorを使った最終的なfigure作成に関しては、別記事をご参照下さい。


Manuscript の作成について
- 多くの雑誌でフォントは times new roman で問題なし。
- Wordに double space* で記載していく
- ページ番号を入れる(挿入 → ページ番号)
- Abstract と Discussion が最も重要なので時間をかける
- Title も非常に重要
- すでに publish されているものからのコピペはダメ!
- 文字数など細かいフォーマットは投稿するジャーナルのsubmission guideline(投稿ガイドライン)を確認する。
- Cover Letter は A4サイズ 1枚におさえる。3 paragraphが理想的。
*Double Space: 以下のボタンを押して 2.0を選択すると1行飛ばしで入力できます。

Tips
Manuscript を書いていく際、double spaceなのでページ数が非常に多くなります。
そのため、各項目のタイトルに見出し機能をつけておくことをお勧めします。
そうすることで「ctrl + f」で登録した各項目のみを表示でき、順序を入れ替えたり、目的の箇所へ移動したりするのが楽になります。
ちなみに、見出しのフォント変更は右クリックで可能です。

Reference について(少しだけ)
- なるべく引用文献として相応しいもの、最もメジャーなものを選択する
- 自分たちの論文をさり気なく入れる
- 管理には Endnote が便利
Reference は Endnote を使うと管理が非常に楽になります。
使い方はとても分かりやすい資料がネット上に幾つかありますので、ご活用下さい。
おまけ
最後に、今回取り上げなかった「論文の内容をどのように書くか」をレビューした文献を見つけたので、2つほど紹介しておきます。
- Eric J. Buenz, Essential elements for high-impact scientific writing. Nature, doi: https://doi.org/10.1038/d41586-019-00546-7
- Joshua R Sanes, Point of View: Tell me a story.
eLIFE, doi: 10.7554/eLife.50527
また、「アブストラクト」についても効果的な書き方を記した資料を見つけたので、リンクを貼っておきます。
Discussion
以上が当ラボのジャーナル投稿における取り決めになります。
私もそうでしたが、初めて基礎論文を書く時は細かい点で戸惑うことが非常に多かったです。
ボスやラボメンバーと協議しながら、ぜひクオリティの高いものを目指してください!
以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。