基礎研究

研究者必見!アカデミックCVの究極作成ガイド

Essential Tips for Crafting a Perfect Curriculum Vitae

若手研究者B
若手研究者B
前回の講義でカバーレターの書き方が分かりました!これで無双できますね!
こるく31
こるく31
ちょっと、待った!もう1つ忘れていないかい?そう、英文履歴書のカァリィキュゥラァム・ヴァイティィー(curriculum vitae)も大切だよ。
若手研究者B
若手研究者B
発音うまいですね。
こるく31
こるく31
まあね(照)
こるく31
こるく31
それじゃ、今回はCVの書き方について徹底的にみていこう!
若手研究者B
若手研究者B
はい!(チョロいな)

 

前回のカバーレターの解説に続き、今回はアカデミックポジションに必要なCV(Curriculum Vitae)の書き方についてご紹介します。

皆さんもご存知のように、海外のラボに応募する際には、カバーレターだけじゃなくCVも自己アピールのためにとても重要です。

この記事では、私がこれまでに多くのCVを評価・添削してきた経験を活かし、作成時に特に注意すべきポイントを詳しく解説していきます。

一つ注意点として、アカデミックポストの履歴書には固定された形式は存在しません。

したがって、ここで紹介するのは、あくまで私の提案する一例であることをご了承ください。

前回のカバーレターの記事と同様、私が作成したCVの見本も掲載しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。

それでは、始めましょう!

 

CV(英文履歴書)に含めるべき項目リスト

まずは、CVに含めるべき項目をリストアップします。

次のセクションから一つ一つ詳しく見ていきましょう。

  1. 基本情報
  2. Personal Statement
  3. Education
  4. Academic Appointments
  5. Hospital or Affiliated Institution Appointments
  6. Experimental Skills
  7. Licensure and Certification
  8. Honors and Awards
  9. Grant and Fundings
  10. Professional Societies
  11. Publications
  12. Abstracts and Presentations
  13. Educational Activities
  14. Languages
  15. Referees

 

各項目の説明

基本情報

最初に、あなたの名前(フルネームおよび学位)を記載します。

続いて、所属する研究機関の名前と住所、連絡先(電話番号とEメールアドレス)を明記します。

これらの情報は、CVの冒頭で目立つようにするため、フォントサイズを大きめにして、ページの上部中央または左揃えに配置しましょう。

例文

John Doe, PhD

1234 University

Academic Street, Science City, CA 90210

+1 (123) 456-7890

johndoe@email.com

Personal Statement

このセクションでは、あなた自身について簡潔に説明します。

1~2パラグラフで、学術的背景、研究の関心領域、キャリア目標を記述しましょう。

少し話は脱線しますが、私が他人のラボ探しを手伝う際、その人のCVを私の知人達に送ることがあります。

その時、Personal Statementがしっかりと書かれていると、紹介先の知人もその人の特性や背景を理解しやすくなり、非常に役立ちます。

例文

I am a researcher dedicated to the field of cancer molecular biology, where my passion lies in developing innovative therapeutic approaches. Since obtaining my PhD, I have concentrated my research on therapies utilizing RNA interference technology and aspire to further advance my career in this area.

Education

ここでは、最新の学歴から順に記載します。

各学歴には、学校の正式名称、所在都市・都道府県(州)・国、取得した学位と専攻、および学位取得(予定)年月を明記しましょう。

Academic Appointments

このセクションでは、これまでに就いたアカデミックポジションの経歴を詳細に記述します。

各ポジションにおける役職、所属機関、勤務期間を明記してください。

また、私自身は記載していませんが、在任期間中に関わった具体的なプロジェクトや得られた研究成果についても記述することが可能です。

Hospital or Affiliated Institution Appointments

医学系の研究者の場合、関連する病院や施設での職歴をここに記載します。

所在都市・都道府県(州)・国も含めておきましょう。

Experimental Skills

ここでは、獲得した実験手技を記載します。

「DNA/RNA抽出」「PCR」「ゲル電気泳動」「ウエスタンブロッティング」などの一般的な実験技術は、詳細な説明は必要ありません。

一方、特殊または高度な技能については、具体的な経験を補足しておくといいです。

例文
  1. Programming using R and Python: Used for analyzing and visualizing large-scale genomic datasets. 
  2. In vivo experiments: Experienced in creating cell-derived xenografts and assessing the efficacy of cancer treatments in mouse models.

Licensure and Certification

保有する資格や認定証をリストアップします。

これには医師免許や専門資格などが含まれます。

Honors & Award

受賞歴を記載します。

特に一般に知られていない賞の場合は、その賞の意義や選考基準、選考人数などの補足説明を加えると良いです。

例文

2018: Young Investigator Award, National Cancer Society – This award is given to innovative young researchers in cancer research, and five individuals were selected from a pool of 3,000 candidates nationwide.’

Grant and Fundings

獲得した助成金の情報を記載します。

申請者としての役割、プロジェクト名、助成期間と金額などを明確にします。

例文

Principal Investigator, “Novel Therapeutic Approaches in Alzheimer’s Disease”, funded by XYZ Foundation, $500,000, 2020-2023

Professional Societies

所属している専門学会や組織をリストアップしましょう。

例文

2015-  Member, American Society for Cell Biology

Publications

ここは筆頭・共著論文をリストアップします。

私は、以下のルールに則って書いています。

  • 最新のものから順に並べる。
  • 基本的に、Pubmedに載っている論文を載せる。
  • Under ReviewやbioRxivに載っているものも含める。
  • 臨床論文の数が多い場合は、基礎研究 (Basic Research)と臨床研究 (Clinical Research)の論文に分ける。
  • 論文の著者は省略しないで全員載せる。
  • 自分の名前とジャーナル名を太字にする。
  • 書籍の執筆経験があれば、Publicationsの次に「Books」という項目を作り、そちらに詳細を書く。
例文

Cork31, Smith, J.A.,——. “Novel Insights into Cellular Mechanisms of —— Disease”, Journal of Cancer Science, 2023 Jul;92(1):29-37

Abstracts and Presentations

学会やカンファレンスでの発表をリストアップします。

発表の題目、学会名、開催地、開催日などを記載しましょう。

例文

Cork31, ——. “New Frontiers in Gene Therapy”, Annual Conference of Molecular Biology, Chicago, IL, May 2021

Educational Activities

これまでの指導経験やその内容、人数、指導資格の有無などを具体的に書いて下さい。

アメリカでは、指導経験がとても重要視されます。

例文

2017-2020: Supervised 5 PhD students, conducted weekly lab meetings and journal clubs, Department of Biochemistry, ABC University – During this period, two of my students received the Best Scientific Publication Award at the —- international conference.

Languages

ここでは、英語の共通テストのスコアなどを載せておくといいと思います。

ちなみに、我々が大好きなTOEICはアメリカでは知名度があまりないので、そのスコアを書く場合、自分が上位何パーセントタイルにいるかを補足説明しておきましょう。

Referees

自分が指定した3人の推薦者の名前とメールアドレスを記載しましょう。

 

その他のtips

おすすめのAIツール

色んな用途に応じたCVを作成してくれる、resume.coというウェブサービスがあります。

こちらでは必要な項目をタブに入力していくだけで、綺麗なフォーマットのCVが完成できます。

また、文章を書く時にはAIを使った執筆のサポートもしてくれて便利です。

ただ、CVの完成後、そのデータをダウンロードするのに料金がかかる点だけご留意下さい。

余白を入れる

CVのページ数に明確な指定がない場合、余白を適度に入れて全体を読みやすくしましょう。

人種・年齢・性別の記載について

私は当初「Place of Birth/Citizenship: Tokyo, Japan/Japanese」という項目も一番最初に書いていましたが、アメリカで弁護士をしている身内にCVを添削してもらったところ、消すように言われました。

というのも、アメリカでは人種はかなりデリケートな問題であり、少なくともカリフォルニア州では、採用プロセスの中で確認することは法律で禁止されているそうです。

もちろん、自分から言う分には問題にはなりませんが、少し奇異に映るようです。

 

見本

以下、私が作成したCVです。

フォーマットなどを参考にしてみて下さい。

書いている内容は適当です。

 

最後に

以上が、アカデミアのCV作成における全てのアドバイスになります。

今後も、様々な方のCVを添削する中で気付いた点があれば、随時追加していきたいと思います。

海外ラボのポストを得るための準備全般については、以下の記事で詳しくまとまっているので、興味がある方はご確認下さい。

Embarking on a Research Adventure: Step-by-Step Guide to a Postdoctoral Position Abroad
【準備編】研究留学への完全ガイド:全プロセスと成功への鍵この記事は、研究留学を実現させるための重要なプロセスについて焦点を当てています。ラボの選定から書類作成、ビザ取得、生活環境の調整に至るまでのステップを分かりやすく説明しています。研究留学を検討している研究者にとって、実用的な情報となります。...

 

さて、過去3回にわたり、アカデミックポストを獲得するためのプレゼンテーションの方法や、CVおよびカバーレターの作成についてご紹介してきました。

ここで1つお伝えしたい事として、これらの記事の内容は私一人が考えたものではありません。

実は、私一人の偏見をなくすため、書類の添削からプレゼンの予演会までを、私よりも研究キャリアが長く、non-MDの優秀なラボメイトとの2人体制で行ってきました。

そのため、彼女から学んだことは非常に多く、私自身としても凄く勉強になりました。

この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。

 

それでは、謝辞を述べたところで、そろそろ終わりにしようと思います。

皆さんが目標のポジションをゲット出来ることを心から願っています。

Good Luck!!

 

Acknowledgement

In the past three articles, I have shared techniques for delivering effective presentations, along with advice on how to write compelling CVs and cover letters to attain academic positions.

Here, I would like to mention that the insights in these articles are not entirely my own.

To eliminate personal bias and ensure a balanced perspective, the review of documents and rehearsal of presentations were performed closely with a lab colleague who has a more extensive research background than I do.

This collaborative effort has been immensely educational and significantly enriched my knowledge in this aspect.

I would like to take this moment to express my sincere appreciation for her valuable contributions.

Thank you.
Cork31