基礎研究

【2023年更新】国内の研究留学助成金リスト

List of Domestic Funding Opportunities for Postdocs Studying Abroad

今回の記事では、私が見つけた国内の「研究留学の助成金/奨学金」を締め切りの「月」毎にリストアップしました。

助成金/奨学金を申請した時のエピソードは、前回の記事にまとめています。

From Application to Acceptance: Guide to Securing Domestic Research Fellowship
【国内版】ポスドクのための助成金申請ガイド:実体験に基づく研究留学フェローシップのヒントこの記事では、ポスドク向けの助成金・奨学金申請に関する貴重な情報を提供します。実際に助成金を申請し、採用された経験に基づいて、助成金の探し方や申請のコツを詳しく解説。研究留学を計画する研究者にとって有益な情報が満載です。...

 

また、留学後にアメリカの有名なフェローシップにも採択して頂きました。

その経験も記事にしたので、現地のグラントに興味がある方はそちらも参考にして下さい。

アメリカのポスドクフェローシップ成功ガイド:助成金獲得の秘訣と申請戦略

アメリカでフェローシップを得ることの実際の恩恵:金銭的な助成を超えて

 

助成金・奨学金リスト

  • 応募資格は各財団で細かく設定されています。自分の主観で一部だけを抜粋しました。また、私が確認した2020年度のものから資格が一部変更されている可能性があります。
  • 自分の条件にあった助成金を優先的にリストアップしています。分野を変えれば他にもたくさんあると思います。
  • 締切日は毎年変わるので「〇月」はあくまで参考です。
  • 情報が古くなっていたため、2023年11月に記載内容を再確認しました。結果として、海外のインフレの影響を反映して、助成金の額が全体的に増加しているように見受けられました。しかし、その一方で採用枠も減っているように感じました。その他、締め切りの月はやはり結構変わっていました。

5月

JSPS 日本学術振興会海外特別研究員

主な応募資格

・学術研究機関に所属する研究者。又は、当該研究者を志望する者。

・博士の学位を取得後5年未満の者。見込みでも良い。

助成額

往復航空券、滞在費、研究活動費(年額約450万円~750万円/年×2年間)

採用枠約130名

一番メジャーなやつです。

助成額が高額で、しかも2年間というのが魅力的です。

採用率は20%ぐらいのようです。

既に留学中でも応募可。

NIH に留学する人は、そこ専用のが別にあり。

募集時期が早く、私は間に合いませんでした。

 

持田記念医学薬学振興 留学補助金財団

主な応募資格

・45歳未満。

・対象分野の指定あり。

助成額1件50万円

採用枠20-30件

応募した年度を対象とした助成金。

 

アステラス病態代謝研究会 海外留学補助金

主な応募資格

・これまで1回で1年間以上の海外留学の経験がない。

・推薦不要。年齢制限なし。

・博士号取得済み、もしくは出国日までに博士号取得見込みの研究者。

助成額最大700万円/年×1年

採用枠10名前後

応募した年度を対象とした助成金。

 

6月

三越海外留学渡航費助成

主な応募資格

東京都並びに東京都近隣4県の大学医学部、医学研究施設、病院に所属する専任職員。

・留学に際して他財団等から同様の目的で助成を受けていない者。

・基礎及び臨床医学に関する研究者。

助成額総額300万円

採用枠総額を複数名で分散。2019年は3名採択。

 

安田記念医学財団応募要項 海外研究助成

主な応募資格

・癌に対する治療・研究に従事している医師。

・申請時、国内在住者。

助成金額150万円/年×1年間。

採用枠3件以内。

2024年1月11日にウェブサイトがリニューアルされたため、以前の助成金情報が確認できなくなっています。今後の情報を待ちたいと思います。

 

7月

第一三共生命科学研究振興財団 海外留学奨学研究助成

主な応募資格

・過去に海外留学の経験がない。

・助成採択後に出国する研究者。

助成額年間750万円/年×最大2年間

採用枠5件程度。

私は学内選考で落ちてしまい、応募できませんでした。orz

 

早石修記念海外留学助成

主な応募資格

日本生化学会の会員

助成額800万円/年×1年

採用枠5名

助成額が大きいです。

会員ではなかったので、応募しませんでした。

 

8月

HFSP ヒューマンフロンティアサイエンスプログラム

主な応募資格

・長期フェローシップと学際的フェローシップで異なる(要参照)。

助成額年度・留学先によって異なるようです。

採用枠ざっと調べた範囲では分かりませんでした。

国際的な Fellowship program です。

日本からも多く採用されています。

申請書はすべて英語で余裕がなかったので申請しませんでした。

応募される方は、以下のサイトにコツが書かれておりオススメです。

HFSPフェローシップ獲得の方法とコツ

 

東洋紡バイオテクノロジー 長期研究助成

主な応募資格

・39歳以下。

・初めての海外留学。

・Phd 取得後5年以内。

助成額 550万円/年×1年

採用枠 不明

 

国際医学研究振興財団 海外留学助成

主な応募資格

・40歳未満(女性研究者は45歳未満)あるいは学位取得後5年未満。

・1年以上の研究留学の経験がない。

助成額 最大600万/年×2年

採用枠 5名

 

9月

上原記念生命科学財団

主な応募資格

① 若手海外留学支援金

・博士号を有するか、翌年4月までに取得見込み。

・33歳以下(医学部卒は35歳未満)。

 

② 海外留学助成

・博士号または同等以上の業績を有する若手研究者。

・37歳以下(医学部卒は39歳未満)。

 

助成額 600万円以内/年×1年

採用枠約50件 ②約30件

採用枠が多く、海外学振に次ぐメジャーな助成金です。

海外からも応募可。

難点としては、前述の通り、各大学から1名ずつしか応募できないので学内選考が1つの山場です。

採択者をみる限りでは、勤務医は学内選考がない市中病院からでも応募が出来そうです。

 

内藤記念海外留学助成金

主な応募資格

・41歳以下。

・博士号を取得8年未満または、取得見込み。

助成額700万円/年×1年

採用枠5件以上

注意事項をみる限り、勤務病院からの応募は難しいようでした。

つまり、学内選考で選ばれる必要があります。

 

武田科学振興財団 海外研究留学助成

主な応募資格

・38歳以下。

・MD+PhD, PhDは見込みでも可。

・留学中の年間収入が本奨学金を除いて600万円以下。

助成額

・海外渡航費往復40万円 + 滞在費 480万円/年 × 最長4年

・留学1年半後に、延長の可否、延長期間を再審査。

採用枠10件

採用年数が長いのが特徴です。

学内推薦を頂けたので応募しました。

「戸籍謄本」「健康診断書」「語学能力の証明書写し」などの必要書類が多く、申請した中では準備が最も大変でした。

 

日本呼吸器学会 海外留学助成金   

主な応募資格

・45歳未満。

・会員歴5年以上。

・留学の受入側から給与がない(附則あり)。

・他の助成金との重複不可。

助成額:300万円/年×1年

採用枠:4名

門戸が狭いためか、2020年は9月の締め切りが11月に延長されていました。

私は条件を満たさなかったので、応募出来ませんでした。

2022年から3年間限定で助成条件が緩和されているようです。

 

10月

山田科学振興財団 海外研究援助

主な応募資格

・日本国籍を有する研究者、もしくは日本の研究機関に所属する研究者。

助成額 100万円・200万円(申請区分に依存)

採用枠「過去の実績」を拝見する限り恐らく10名以内

推薦にあたり、学内選考は必要なかったと記憶しています。

 

細胞科学研究財団 育成助成

主な応募資格

・財団理事または評議員の推薦。

40歳以下。

助成額120万円/年×1年

採用枠10件

財団関係者の推薦が必要なのが最もネックです。

一応大学内に評議員の方がいましたが、戦況をみつつ応募しませんでした。

 

中谷医工計測 技術交流助成 留学プログラム

主な応募資格

・テーマ:BME ( Bio Medical Engineering )分野

・40歳以下。

・大学院生は留学先で博士課程に入学する者。

・既に留学中の者は対象外。

助成額:月額50万円 + 渡航費 上限30万円

採用枠: 「助成実績」を拝見する限り4~6名か?

年2回の公募あり。締め切りは4月と10月。

 

11月

新製剤技術とエンジニアリング振興基金 海外留学研究助成金

主な応募資格

・「製剤開発」「製剤技術」「製剤プロセスエンジニアリング」の3分野いずれかの研究。

助成額100万円/件

採用枠最大2件

自分の研究テーマが該当しないのと、戦況をみて応募しませんでした。

 

12月

中外創薬科学財団 海外留学助成

主な応募資格

・35歳以下

・研究テーマ:生命科学研究・創薬基盤研究・創薬応用研究

助成額450万円/年x最長2年(航空券は別途支給)

採用枠1・2期併せて4件

年2回の公募あり。1期は6月、2期は12月が締め切りです。

自分が応募した頃には、なかった助成金です。

 

2月

渡邉利三国際奨学金

主な応募資格

・40歳以下

・科学・技術・医療等の分野

助成額月額15万円(留学期間に応じて最大10ヶ月間支給)

採用枠10名程度

以上が、私が調べた限りの留学助成金のリストでした。

今回、取り上げたもの以外にはAMEDでも様々な助成を行っているので、一度確認してみる価値があると思います。ただし、応募条件が複雑だったり、年度によって異なるのでこの記事では割愛しました。

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!