レビュー記事

【おすすめ】英文ライティング、科研費申請のためのベストブックガイド

Essential Reading for Scientists: Key Books for English Writing and Domestic Fundings

アカデミアでは、論文の執筆や助成金の申請、さらには海外留学まで、日本語・英語問わず、様々な場面で効果的なライティングスキルが求められます。

私はこれまで研究医かつブロガーとして、自分の執筆能力を高めるために色んな書籍を読み込んできました。

今回は、これらの書籍について簡単なレビューを行いたいと思います。

 

英文ライティング

  1. 島村東世子. 『研究ですぐに使える理系の英文Eメール』. 日刊工業新聞社, 2009年11月18日.
  2. Ann M. Korner, 瀬野悍二. 『相手の心を動かす英文手紙とe‐mailの効果的な書き方』. 羊土社, 2005年11月1日.
  3. 吉留文男, ジョン・マクリーン. 『研究留学のための英文Eメール・ハンドブック』. 研究社, 2017年8月31日.

まずは、英文関連の書籍をみていきましょう。

私が海外留学の準備を始めた頃は、今では欠かせないChatGPTやGrammarlyのようなツールは存在しませんでした。

そのため、上記の3冊を読み込み役立ちそうな表現を48ページにも及ぶWordファイルに次々と記録していきました。

現在でも、日常生活で「これは面白い英文だ」と感じたものは、その表現をこのストックファイルに加えています。

例えば、私のラボメイトが非常に丁寧な英文メールを送ってきた時は、もの珍しさから思わず保存してしまいました笑

今ではChatGPTなどのツールを用いて簡単に英文を書くことができますが、これらの本を読んで英文の基本的なルールを系統的に学ぶのも非常に大切だと思います。

この3冊はどれも甲乙つけ難いですが、最初に提示した順番が私のオススメ順です。

 

国内の助成金/奨学金関連

  1. 児島将康. 『科研費 獲得の方法とコツ (改定第4版)』. 羊土社, 2015年8月25日.
  2. 大上雅史. 『学振申請書の書き方とコツ: DC/PD獲得を目指す若者へ』. 講談社, 2016年8月2日.

児島先生の著書については、多くの方がすでにご存じかもしれません。

私も、この本を読み込むことで、当時の日本学術振興会(JSPS)若手研究Bの採択を受けることができました。現在、この本は改訂第8版まで出版されているようです。

この著書をきっかけとして、児島先生が主催するライティングセミナーにも参加しました。

このセミナーは1日で広範囲にわたる内容を網羅するため、かなりハードでしたが、まるで武者修行のような経験で楽しめました。オススメのセミナーです。

 

一方、大上先生の著書は、DC1で不合格になった後、DC2でリベンジを目指すために読みました。その結果、幸いにもDC2を獲得することができました。

 

両著者の書籍はどちらも180ページを超える充実した内容で、特に実際の申請書を用いた具体的な解説が含まれています。

 

英文科学論の執筆

  1. Ann M. Korner, 瀬野悍二. 『日本人研究者が間違えやすい英語科学論文の正しい書き方』. 羊土社, 2005年9月1日.
  2. 杉原厚吉. 『どう書くか: 理科系のための論文作法』. 共立出版, 2001年1月12日.

これらの書籍は、英文科学論文の執筆にあたって購入したものですが、研究分野によって書く内容が多少異なることがわかりました。

そのため、個人的には先行研究の論文が最良の見本だと感じています。

 

ブログ関連

  1. 松尾茂起. 『沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—』. エムディエヌコーポレーション, 2016年11月1日.

この本は、ブロガーの必読書と言えるでしょう。

初めてこの本を手に取った時、その洞察に富んだ内容に感動しました。

最近、久々に読み返しましたが、漫画のような読みやすさと明快な内容で、改めてこの本の魅力を感じました。

前半部分では、幅広いライティングスキルについて触れており、アカデミックライティングにも通じるノウハウが含まれています。

後半では、Webライティングに焦点を移しています。

 

私は他にもタイトルが魅力的な書籍を2冊購入しましたが、それらは主に商品を売るためのWebライティングに特化した内容でした。

なので、今回は割愛します。

 

おまけ:医療英単語関連

  1. 田淵アントニオ, 『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』 SCICUS, 2009/6/29

USMLEなどの試験対策として医療英単語を効率的に学習したい方には、この本がオススメです。

この本では、各単語の根本的な構造を詳しく説明することで、効率的に医療英単語を習得できるように工夫されています。

また、教育的な内容を物語形式で展開しているため、楽しく読みながら学習できます。

 

最後に

それでは今回の記事はここまでとなります。

この記事が皆さんのライティングスキル向上の一助となれば幸いです。

それぞれの分野や目的に合わせて、これらの書籍を参考にしてみてください。