Introduction
今回は「全く知り合いがいない懇親会」≒「ボッチ懇親会」に初めて参加した時のエピソードをご紹介します。
その時は、これから登場する「後輩Sとの会話」に触発されて一人で懇親会に渋々参加しましたが、結果として最高に楽しい時間を過ごすことが出来ました。
そして、この懇親会で自信がついたのをきっかけに、その後から様々な交流会に積極的に参加できるようになりました。
「ポスドク予定の身分」ですので偉そうなことは言えませんが、その後、私は様々な交流会を通して非常に多くの恩恵を受けたので、今回はその経験談を共有します。
~とある勉強会の終了後~
あれ?こるく31先生も帰るんですか?
懇親会行くんじゃなかったでしたっけ?
そういえば、懇親会に行こうと思ってたけど、、、今日はちょっと疲れたかな。
最初から最後まで集中して聞いたからね。
いやー、有意義な会だった!
もったいなくないですか?
自分だったらお金払ってたら参加しますけどね。
言われてみれば、お金もったいないかなー?
完全アウェイだけど参加しようかな・・・。
後輩Sも飛び入り参加する?
状況を詳しく説明しますと、私は1年以上前に同じラボメンバーの後輩と2人で50人規模の勉強会に参加しました。
また、その数日前には「自己啓発本」を読み、それに感化された影響で「懇親会に参加しよう!」と思い立ち、そのためのお金を事前に払っていました。
しかし、いざ当日を向かえると周りは頭が良さそうな人ばかり。
質疑応答なども周りの人は、研究歴の短い自分にとっては半分呪文のような言葉をしゃべっていました。
そのため、勉強会の後半にはすっかり気が変わって懇親会には参加しないで帰るつもりでした。
- 「今回は自分の専門分野以外の先生が多いから参加しても話が盛り上がらないだろう」
- 「もっと若手が多い会の方が参加しやすいな」
- 「他の人同士は割と仲が良さそうだし、そこに自分が割って入るのは申し訳ない」
などと、幾らでも言い訳が思いつきます。
そんな中、勉強会が終わって帰ろうとしていたところ、冒頭の「後輩Sとの会話」に発展しました。
そして、「あんまり情けないところは見せたくない」という変な先輩風が吹き、懇親会に参加する覚悟を決めたのでした。
Result ①
知り合いが全くいない懇親会は初めてだったので、当初はビール片手に壁に2時間ほど向き合う覚悟でした。
もしくは、「いっその事3000円分以上の料理を食べようかな」とかくだらないことを考えていました。
こんな感じ(イメージ図)。

しかし、いざ会がスタートすると自分の状況を察してか非常にコミュニケーション能力が高い企業の方、Aさんが声をかけてくれました。
そして研究とは全く関係ない「育児」の話で盛り上がっていたところ、色んな方々が会話に参加し、その都度あいさつする機会に恵まれました。
会話が進むに連れてだんだん気づいたのですが、このAさん、とうやら顔が凄い広くて参加者全員と面識があるようです。
なので、PI 達の話を聞いてみたいと申し出たところ、快く受け入れてくれ、その勉強会の主催者や同じ分野の有名な先生方へと案内してくれました。
後日談ですが、この時にお会いした先生のお一人が自分の行きたい海外ラボと共同研究をしていたのを後から知りました。
そして、その先生と仲良くなっていたおかげで、海外ラボに4人目の推薦状を書いて頂くことが出来ました。
もしかすると、この時の出会いのおかげで私は第一希望のラボに行けたのかもしれません。
懇親会の最後の方にはすっかり尊敬の念を抱くようになったAさんから、「人脈形成」について幾つかアドバイスを頂いたので共有したいと思います。
- 学会などに行った時は、なるべく1人でご飯を食べない。交流会に参加することで得難い出会いがたくさん出来る。せっかくなら同じ医局内で固まらない。
- 色んな人たちと面識を持っておくと、ジョブインタビューなどで有利に働く。顔見知りや知人からの紹介は大きなアドバンテージとなる。
- 話題に困ったら「育児ネタ」は子供がいる人同士なら鉄板ネタ。
- 自分の「将来のビジョン」は他人と共有した方がいい。そうすることで、必要な人脈も集まってくる。共有する相手は様々な分野の人が理想。
Result ②
「初めてのボッチ懇親会」の後からは、なるべく色んな交流会に参加するようになりました。
そして、そのおかげで現在進行形で色んな恩恵を受けています。
例えば「UJAの交流会」で海外のポスドク帰りの方と話していたところ、「Ph.D.を持っていなくても、学位論文さえ先にアクセプトされていれば海外ラボに打診できる」という事実を初めて知りました。
私の場合、タイミングの問題もあって論文アクセプトから学位取得まで8か月もかかりました。
そのため、この事実を知っていたおかげで早めに海外ラボにアプライすることができ、助成金のことも踏まえると、結果的に1年早く留学することが出来ました。
2022/01/02追記
渡米後に色んな国々のポスドク候補のプレゼンテーションを聞きましたが、全員、学位論文のアクセプト前にジョブインタビューをしていました。なので、状況が許せば論文をサブミットした段階でラボにアプライしてもいいと思います。
また、積極的に色んな会に参加していくうちに様々なチャンスが生まれ、「日本に偶然きていた海外の有名 PI」や「日本を代表する肺がん基礎研究者」と少人数で夕食をとるような機会にも恵まれました。
Discussion
今回は「ボッチ懇親会」の経験談を記事にしました。
初対面の人と話すのは緊張しますし、得手不得手があるかもしれません。
私も家にも籠ってブログを書いているぐらいなので、いわゆる「人見知りするタイプ」で最初のハードルは凄く高かったです。
今でも凄く緊張します。
しかし、例えば「医局内の狭い世界」だけに留まっていてはどうしても入ってくる情報も限定されてしまいます。
「損得勘定」は良くないですが、色んな人たちと交流することで得られる恩恵は想像以上に大きいと思います。
なので、皆さんもぜひ「ボッチ懇親会」にデビューしてみては如何でしょうか。
以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。