論文作成

文章力を磨く:論文、助成金、海外留学に役立つライティングスキル向上ガイド

Enhancing Academic Writing Skills for Research, Funding, and Global Opportunities

若手研究者D
若手研究者D
先生、論文執筆や助成金の申請って、本当に大変ですよね…
こるく31
こるく31
うん、わかるよ。私も日々勉強中だから。でもね、良い文章って、実は料理と同じで、小さな工夫が大きな違いを生むんだよ。
若手研究者D
若手研究者D
料理ですか?でも、こるく31先生、料理できましたっけ?
こるく31
こるく31
あっ、えっと、そうじゃなくて!料理は、えーと、あまり得意じゃないけど、文章は別!料理と似てる部分もあるかもって話。
若手研究者D
若手研究者D
あ、そういうことですか、すみません、勘違いしました!
こるく31
こるく31
いやいや、いいのいいの!とにかく、ライティングのコツを教えるから、料理の話は置いといて、さあ学ぼう!

アカデミアでは、論文執筆から助成金の申請、海外ラボの応募に至るまで、様々な場面で効果的なライティング能力が求められます。

この記事では、研究医、ブロガー、海外在住者としての私の経験から得た、質の高い文章を書くための実践的なヒントをいくつかご紹介します!

 

効果的な学術ライティングへの道のり

読者を常に意識する

まず、ライティングにおける最大の原則は、常に読み手を意識することです。

必ず、読者のニーズや関心に合わせた内容を心がけましょう。

また、あなたの文章をはじめて読む人が違和感や疑問を持たないように、載せる情報やその順番には、細心の注意を払いましょう。

フォーマットにも気を配る

読者が見やすいフォーマットを意識して下さい。

適切な余白設定、日本語の場合は漢字とひらがなのバランス、句読点の適切な使用によって、文章にリズム感を持たせることが出来ます。私は大事な文章を書くときは、必ず最後にAIに文章を音読させ、そのリズム感のチェックを行っています。

英文でも母国語のライティングスキルが重要

実は、日本語で高品質な文章を書く能力は、英語のライティングスキルにも直結します(英語ネイティブの場合は除く)

母国語のライティングが苦手な場合、効果的な文章構成論理展開が出来ず、それを英文に訳しても、そのクオリティが下がってしまいます。

そのため、日本語であっても、文章を書く練習は常にしておきましょう。面白いことに、瀬嵜智之氏の著書『Drセザキンク直伝!最強の医学英語学習メソッド』にも似た考え方が示されています。

セザキング先生は、相談者からの日本語のメール文を分析することで、彼らのUSMLE(米国医師資格試験)合格率を見事に予想できてしまうそうです。

瀬嵜智之. 『Drセザキンク直伝!最強の医学英語学習メソッド』. 医学書院, 2020年, 第1版. 第2章「英語を学ぶ前にまずは日本語から!」, p.20.

助成金を申請して書く練習をする

助成金の申請書は、論理的で説得力のある文章が要求されるため、ライティングスキルを鍛えるのに最適です

大学院生の場合は、指導医からの要求がなくても、積極的に助成金の申請書を書いてみて下さい。そうすることで、キャリアの早い段階から文章を書くスキルが自然と身につくはずです。また、他人の申請書を添削することも、様々な表現や文章構成が学べてオススメです。

重要な文書は時間をかける

カバーレターや奨学金の申請書など、重要な文書を作るときは、十分に時間をかけましょう。

特に私の場合は、その日のコンディションによってライティングの質が大きく変わります。たとえば、助成金の申請書では、ついつい自己アピールに集中し過ぎてしまい、読み手を置いてきぼりにした文章を書いてしまいやすいです。そのため、初稿をざっと書いた後は一時的にそれを寝かせ、後で再び取り掛かるようにしています。そうすることで、自分の文章を客観的に評価でき、より上質な文章が書きやすくなります。

本を読むことの重要性

効果的なライティングスキルを身につけるには、読書習慣も大切です。

以下は、本を読むメリットです。

添削を受けた正しい文章の学習

出版された本はプロの編集者によって添削されています。このことから、文法的に正しく、流れの良い文章を学ぶことができます。

多様なスタイルとジャンルへの曝露

異なる作者の作品を読むことで、色々な書き方や表現スタイルが学べます。

語彙力の広がり

読書は、新しい単語やフレーズを学ぶ絶好の機会です。

同じ単語やフレーズを繰り返さない

特に英語のライティングで重要なことですが、同じ単語の繰り返しは避け、色んな表現を使いましょう

これまで添削してきた中では、特に「I am ~」「I have ~」といった単調なフレーズで繰り返し文章を書き始めている方が多いように感じました。

連続して何度も同じフレーズが使われると、少し目立ってしまいます。

エレガントな形容詞を使う

英文では、エレガントな形容詞を使うことが非常に重要です。

たとえば、NIHから見事に資金提供を受けたプロジェクトのAbstractでは、以下のような洗練された形容詞が頻繁に用いられています。これらの形容詞を巧みに利用することで、あなたの文章のクオリティは格段に上昇するはずです。

Millar N, Batalo B, Budgell B. Promotional Language (Hype) in Abstracts of Publications of National Institutes of Health–Funded Research, 1985-2020. JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2348706. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.48706
閲覧日2023年12月21日, Creative Commons: CC-BY license

ChatGPTなどのAIツールを利用する

上記のような代替表現や形容詞を見つける手段として、ChatGPTのようなAIツールが非常に便利です

せっかくなので、ChatGPTに関する私見も付け加えておくと、英語の添削をしてもらう場合は、文章が仰々しく、too wordyになりやすいです。一方で、よりカジュアルな表現を求めると、パリピみたいな文章になりがちです。

そのため、私はAIを使う時は「全幅の信頼」を寄せているわけではなく、常に一定の修正を加えています。

ま、私が入力するpromptのせいかもしれませんが。

最後に

この記事では、私がこれまでに学んできた効果的なライティングスキルについて共有しました。

もちろん、私もまだ学びの途中であり、完璧な答えを持っていません。

そのため、今後も必死に勉強し、有益なスキルや知見が得られた際には、この記事を適宜更新していく予定です。

参考までに、私がこれまで読んできたライティングスキルに関する書籍を、以下のレビュー記事にまとめました。

Essential Reading for Scientists: Key Books for English Writing and Domestic Fundings
【おすすめ】英文ライティング、科研費申請のためのベストブックガイドアカデミアでは、論文の執筆や助成金の申請、さらには海外留学まで、日本語・英語問わず、様々な場面で効果的なライティングスキルが求められます...

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。一緒にライティングスキルをゴシゴシ磨いていきましょう!