研究留学

【体験談】研究留学を振り返ってみて:3年間で得た教訓とアドバイス


私がアメリカに留学してからなんと早3年が経ちました。

現在は1つ目の論文を書き終え、投稿に向けて最終調整をおこなっている段階です。まだ、長くて険しいリバイス作業が待っていますが、1つのプロジェクトをまとめ上げたことで「研究留学」を少し俯瞰的に見えるようになった気がします。

そこで今回は、3年間の研究留学を振り返ってみて、新たに思いついた私なりのアドバイスを皆さんと共有したいと思います。

この記事がこれから留学を目指す人たちや留学中の方々に、少しでも役立ってくれれば幸いです。それでは、さっそく見ていきましょう!

お金の話:高金利のSaving Accountを作ろう


いきなり本筋とは関係ありませんが、重要なので書かせて下さい笑

ご存じの通り、特に昨今の物価上昇と円安の影響で、留学のハードルは以前にも増して高くなっています。なので、留学中の資金管理はとても重要です。

そんな中、アメリカではインフレを抑えるために金利が高く設定されています。その影響もあり、アメリカの一部のSaving Account(貯蓄口座)では、お金を預けるだけで年間4-5%ぐらいの利回りを簡単に得ることができます。

詳細は他稿にゆずりますが、以下のサイトが分かりやすくてオススメです。

アメリカ貯蓄口座の金利は年4.40%でめっちゃ得。Marcus(マーカス)使わないと損することが発覚。URL: https://chuzai-english.com/bank-rates/

私はこの事実に最近まで気付かず、本当に後悔しました。気づいてからは、速やかに高金利のSaving Accountを開設しています。いわゆる、メガバンクは金利が低く設定されているので、この事実を見逃している人は意外と多いんじゃないかと思います。ちなみに、余剰資金を貯蓄口座ではなく投資にまわすのも全然アリだと思います。

1つだけ注意点を挙げると、アメリカはネット被害が多いのでパスワード管理などはしっかり行うようにして下さい。詳細は以下の記事にも書いています。

Mastering VPNs: Strategies for Enhancing Online Privacy and Security
【VPN活用術】海外の研究医が教えるネットセキュリティ完全ガイドVPNの重要性と利用方法を徹底解説! VPN選び方、契約戦略、使い方を執筆者の様々な視点から詳しく紹介。安全なオンライン環境を保つための実用的なアドバイスを提供します。...

ポスドクポジションの獲得は長期戦になることも

それでは、気を取り直して研究留学関連の知見をみていきましょう。

ポスドクのポジションを獲得する際、私は2か所に打診しただけで運よく採用されました。しかし、端的にいうと、これは何かの手違いだと思います。

実際に私のラボメンバーの話を聞いてみると、20か所ぐらいにメールを送ったけど、なかなか決まらないこともザラにあるようでした。さらには、これまで10人以上の方の留学をサポートしてきましたが、同様に難しいケースを経験してきました。

なので、海外ラボにアプライする際には、長期戦になり得ることも予め覚悟しておきましょう。人脈が利用できる場合は、それを生かすのも手だと思います。

内定が決まった研究機関で他にも良さそうなラボをピックアップする


実はアメリカでは、一旦ラボに所属したあとでも違う研究室に変更することが盛んに行われています(少なくとも私の周囲では)。実際のところ、私のラボメンバーもその25%が一度違うラボで働いてから、うちのラボに移ってきています。

どんなに華やかにみえる研究室でも、働いてみると色々なギャップに気付いてくるものです。もし、現実とのズレが許容範囲を超えてしまった場合は、我慢せず潔くラボを変えましょう。個人的には、ラボに所属し始めてから最初の6カ月ぐらいは定期的に「このラボに居続けるべきか」と自問自答することが大切だと思います。

ラボを変える際「あの大変な作業をまた繰り返すのか・・・」と思うかもしれませんが、実はそのハードルはグッと下がっています。というのも、すでに海外ラボに一度採用された実績があり、アメリカでの生活環境を整えた経験があるだけで、雇う側にとってのリスクはだいぶ軽減されています。

また、ラボ変更は一般的によく行われているので、採用時に懐疑的にみられることもありません。さらには、同じ研究機関内のラボ変更であれば、すぐに働いてもらえるのも雇う側にとっては大きなメリットです*。以上のことからも、私の周囲では元々いたラボよりも有名なラボに転向できているケースが多いです。

*これらの情報は私のボスからの意見を参考にしています

内定をもらったラボが最終的に自分に合うかどうかは運にも左右されます。なので、そのリスクを軽減するためにも、渡米前から他の魅力的なラボをいくつかピックアップしておくことを個人的にはお勧めします。

特に、同じ研究機関内のラボであれば、移動がしやすく、時間的ロスを最小限に抑えることが出来ます。また、ケースバイケースですが、すでに獲得した助成金の移行もしやすい場合があります。

英語の勉強はやっぱり大事


次に、皆さんもお気づきだと思いますが、アメリカで生活をしていく上で英語力はやっぱり重要です。

これは研究分野に限ったことではなく、アメリカの他分野で成功を収めている私の兄弟もそのように感じています。英語を理由に留学を諦める必要はありませんが、重要な要素の1つであることは間違いありません。

実は何気ない会話の中にも色んなチャンスが潜んでおり、厄介なことに英語力が身についていないと、この機会損失になかなか気づきにくいです。

例えば、学会やワークショップなどのソーシャルな活動に積極的に参加していると、共同研究のチャンスに恵まれることがあります。そのようなチャンスを自分で掴み取り、多忙なPIの協力なしでコラボレーターと議論できるようになると、プロジェクトの幅が大きく広がるように思います。

以上のことからも、ただでさえ生きるのに必死な海外生活に、さらに鞭を打つようで本当に心苦しいですが、皆さんも私と一緒に歯を食いしばりながら英語の勉強をして欲しいと思います笑

ちなみに、勉強法についてもよく聞かれるので紹介しておくと、私はAnkiというアプリで英単語を覚えるようにしています。また、そのなかで記憶しやすいように英単語や例文をAIに音読させています。

色んな人達と積極的に関わって視野を広げよう!


研究留学は、日本ではなかなか関わることが出来なかった多様なバックグラウンドを持つ人々と出会える絶好のチャンスです。

私も、がん研究者以外にも、他分野の研究者や製薬企業の方、ベンチャー企業の経営者など、国籍もバラバラな人たちと交流することができました。そのおかげで色んな視点に気付くことができ、視野が大きく広がったように思います。

特に、異なる分野の研究者との交流は、自分の研究を別の角度から捉え直すきっかけになります。例えば、工学系の研究者とのディスカッションを通じて、がん研究にも応用できる新たな技術や手法を知ることが出来るかもしれません。

また、企業の方との会話では、基礎研究の成果を臨床還元する上で必要な新たな視点を学ぶことが出来ます。

このように、研究留学中は自分の専門分野に留まらず、他分野の人々と積極的に交流を持つことが大切です。そうすることで、自分の研究を多角的に捉える力が養われるだけでなく、将来的な共同研究やキャリアの選択肢も広がっていくように思います。

まとめ


以上がこれまでの留学生活を通じて、私が思いついたアドバイスになります。研究留学は、チャレンジングな経験ではありますが、得られるものも非常に大きいと思います。

資金管理、英語学習、ラボ選び、ポジション獲得、人脈形成など、様々な側面に気を配る必要がありますが、一つ一つ着実に取り組んでいけば、きっと実りある留学生活を送ることができるはずです。

ちなみに、私の留学生活はまだ続くので、今後も引き続き有益そうな情報が見つかり次第、ブログを通して共有していきたいと思います。

それでは一緒に充実した研究生活を送っていきましょう!

最後まで読んで頂きありがとうございました!