日常生活

【2024年の振り返り】がん研究者の研究交流記録


研究者として活動する中で、今年は例年以上に多くの場所を訪れる機会に恵まれました。学会発表や研究交流を通じて得られた経験や、その土地ならではの思い出を記録として残してみたいと思います。

サンフランシスコ(小規模研究会)

3月に私が獲得したフェローシップが主催する研究会に参加しました。会場はサンフランシスコ国際空港近くのバイオテック企業が集積するエリアで、アカデミアと製薬業界から約50名の研究者が集まる2日間の合宿形式でした。

普段は接点の少ない製薬企業のCEOのPhD時代の経験談や、アカデミアと企業を行き来してきたPIのキャリアストーリーを聞くことができ、とても刺激的でした。寝食を共にしながらのフランクな議論を通じて、基礎研究と創薬の橋渡しについても新しい視点を得ることができました。こちらの研究会は、2025年にボストンでまた開催されるので、来年も参加する予定です。

日本のとある地方(招待訪問)

ボスが日本のとある大学に招待され、そのボディーガードとして私もおまけで招待していただけました。自分の出身大学以外の呼吸器内科の先生方と濃密に関わるのは初めてでしたが、やはり呼吸器内科の先生方は素晴らしい方が多いと再確認できました。現地の料理も最高でした。

サンディエゴ(AACR:米国がん学会)

複数のコラボレーターとのミーティングで急遽AACR (American Association for Cancer Research)に参加しました。後輩にも会えて嬉しかったです。AACRが主催する5kmマラソンに参加しましたが、久しぶりに走ったため全身筋肉痛になりました。ダウンタウンの電車は初めて利用しましたが、とても便利でした。以上。

シカゴ(ASCO:米国臨床腫瘍学会)

ASCO (American Society of Clinical Oncology)に参加するために、McCormick Place Convention Centerを初めて訪れました。毎年3万人以上の研究者が集まるという、がん研究分野最大の学会の会場だけあって、その規模は圧巻でした。ASCOは参加人数が多すぎるため、毎年ここで開催されるそうです。私はノーマスクで学会に参加したところ、重い風邪に罹患し、帰国後丸々2週間寝込みました。この経験がトラウマとなり、それ以降は空港や学会ではなるべくマスクを着用するようになりました。皆さんもぜひ気をつけてください。

余談ですが、私はアメリカの風邪薬が全く合わず、副作用のせいで鼻血が止まらなくなりました。なので、海外に長期滞在される方は、日本の風邪薬などを持参されることをお勧めします。

ボストン(フェローシップ研修旅行)

ポスドクとして渡米してから2度目の訪問でしたが、現地の方々は西海岸よりお洒落でハイソな印象を受けました。ダウンタウンも私の住んでいる場所より賑やかでしたが、物価がさらに高かったです、、、また、幼少期から西海岸では一度も人種差別を受けたことがありませんでしたが、ホテルのカウンターで明らかに差別的な態度を取られ、少し残念でした。

滞在中には、私のブログの記事を参考にして同じフェローシップを獲得した日本人研究者の方と会うことができました。とても感謝され、嬉しかったのと同時にブログを続けていくモチベーションにもなりました。

その他、大勢のPI達の前で私の研究プロジェクトをプレゼンする機会がありましたが、それを順調に終えることができて、自信にもつながりました。

福岡(JCA:日本がん学会)

料理が美味しく、街も賑やかでした。ボスも一緒でしたが、生きたイカを食べたエピソードが気に入ったようで、アメリカに戻ってからもよく話題に出てきます。

日本の学会だったので、当然ですが、多くの素晴らしい日本人研究者の方々と出会うことが出来ました。

ワシントンDC(小規模学会)

小規模の学会に参加するために訪れました。ホワイトハウス周辺のミュージアムが全て無料で素晴らしかったです。街並み、公園の雰囲気、建物の外観など、すべてが気に入りました。これまで、アメリカ全土いろんな箇所を訪れましたが、最も魅力的な都市のように感じました。

学会は小規模だったため参加者同士の交流が多く、これまで参加してきた学会の中で最も有意義でした。特に海外学会特有の日本人同士の一体感も感じられて良かったです。自分のプレゼン動画をあとから見返すと、とても疲れていた+緊張していたのがよく分かりましたが、セッション終了後に大勢の方に好評いただいたのが分かって嬉しかったのと同時に、だいぶ度胸がつくようになりました。

この学会には医学部志望の私のアシスタントも参加しましたが、初めての学会参加にとても満足そうでした。

東京(観光・文化交流)

私とボス、テクニシャンの3人で数日間、東京観光をしました。ボスはゴールデン街がとても気に入ったようです。また、コロナ禍の最前線で一緒に戦った後輩を連れてみんなで焼肉に行ったのは良い思い出です。

まとめ

今年は研究面で大変な挑戦の連続でしたが、各地での出会いや発見が大きな励みとなりました。特に、先輩方との再会や後進との交流を通じて、研究者コミュニティの温かさを実感できた一年でした。

来年はそろそろ論文を通したいところですが、どうなることやら。knock on wood!