今回の記事では、私が見つけた国内の「研究留学の助成金/奨学金」を締め切りの「月」毎にリストアップしました。
助成金/奨学金を申請した時のエピソードは、前回の記事にまとめています。
また、留学後にアメリカの有名なフェローシップにも採択して頂きました。
その経験も記事にしたので、現地のグラントに興味がある方はそちらも参考にして下さい。
アメリカのポスドクフェローシップ成功ガイド:助成金獲得の秘訣と申請戦略
アメリカでフェローシップを得ることの実際の恩恵:金銭的な助成を超えて
助成金・奨学金リスト

- 応募資格は各財団で細かく設定されています。自分の主観で一部だけを抜粋しました。また、私が確認した2020年度のものから資格が一部変更されている可能性があります。
 - 自分の条件にあった助成金を優先的にリストアップしています。分野を変えれば他にもたくさんあると思います。
 - 締切日は毎年変わるので「〇月」はあくまで参考です。
 - 情報が古くなっていたため、2023年11月に記載内容を再確認しました。結果として、海外のインフレの影響を反映して、助成金の額が全体的に増加しているように見受けられました。しかし、その一方で採用枠も減っているように感じました。その他、締め切りの月はやはり結構変わっていました。
 
5月
JSPS 日本学術振興会海外特別研究員
主な応募資格:
・学術研究機関に所属する研究者。又は、当該研究者を志望する者。
・博士の学位を取得後5年未満の者。見込みでも良い。
助成額:
往復航空券、滞在費、研究活動費(年額約450万円~750万円/年×2年間)
採用枠:約130名
一番メジャーなやつです。
助成額が高額で、しかも2年間というのが魅力的です。
採用率は20%ぐらいのようです。
既に留学中でも応募可。
NIH に留学する人は、そこ専用のが別にあり。
募集時期が早く、私は間に合いませんでした。
持田記念医学薬学振興 留学補助金財団
主な応募資格:
・45歳未満。
・対象分野の指定あり。
助成額:1件50万円
採用枠:20-30件
応募した年度を対象とした助成金。
アステラス病態代謝研究会 海外留学補助金
主な応募資格:
・これまで1回で1年間以上の海外留学の経験がない。
・推薦不要。年齢制限なし。
・博士号取得済み、もしくは出国日までに博士号取得見込みの研究者。
助成額:最大700万円/年×1年
採用枠:10名前後
応募した年度を対象とした助成金。
6月
三越海外留学渡航費助成
主な応募資格:
・東京都並びに東京都近隣4県の大学医学部、医学研究施設、病院に所属する専任職員。
・留学に際して他財団等から同様の目的で助成を受けていない者。
・基礎及び臨床医学に関する研究者。
助成額:総額300万円
採用枠:総額を複数名で分散。2019年は3名採択。
安田記念医学財団応募要項 海外研究助成
主な応募資格:
・癌に対する治療・研究に従事している医師。
・申請時、国内在住者。
助成金額:150万円/年×1年間。
採用枠:3件以内。
2024年1月11日にウェブサイトがリニューアルされたため、以前の助成金情報が確認できなくなっています。今後の情報を待ちたいと思います。
7月
第一三共生命科学研究振興財団 海外留学奨学研究助成
主な応募資格:
・過去に海外留学の経験がない。
・助成採択後に出国する研究者。
助成額:年間750万円/年×最大2年間。
採用枠:5件程度。
私は学内選考で落ちてしまい、応募できませんでした。orz
早石修記念海外留学助成
主な応募資格:
・日本生化学会の会員
助成額: 800万円/年×1年
採用枠:5名
助成額が大きいです。
会員ではなかったので、応募しませんでした。
8月
HFSP ヒューマンフロンティアサイエンスプログラム
主な応募資格:
・長期フェローシップと学際的フェローシップで異なる(要参照)。
助成額:年度・留学先によって異なるようです。
採用枠:ざっと調べた範囲では分かりませんでした。
国際的な Fellowship program です。
日本からも多く採用されています。
申請書はすべて英語で余裕がなかったので申請しませんでした。
応募される方は、以下のサイトにコツが書かれておりオススメです。
東洋紡バイオテクノロジー 長期研究助成
主な応募資格:
・39歳以下。
・初めての海外留学。
・Phd 取得後5年以内。
助成額: 550万円/年×1年
採用枠: 不明
国際医学研究振興財団 海外留学助成
主な応募資格:
・40歳未満(女性研究者は45歳未満)あるいは学位取得後5年未満。
・1年以上の研究留学の経験がない。
助成額: 最大600万/年×2年
採用枠: 5名
9月
上原記念生命科学財団
主な応募資格:
① 若手海外留学支援金
・博士号を有するか、翌年4月までに取得見込み。
・33歳以下(医学部卒は35歳未満)。
② 海外留学助成
・博士号または同等以上の業績を有する若手研究者。
・37歳以下(医学部卒は39歳未満)。
助成額: 600万円以内/年×1年
採用枠: ①約50件 ②約30件
採用枠が多く、海外学振に次ぐメジャーな助成金です。
海外からも応募可。
難点としては、前述の通り、各大学から1名ずつしか応募できないので学内選考が1つの山場です。
採択者をみる限りでは、勤務医は学内選考がない市中病院からでも応募が出来そうです。
内藤記念海外留学助成金
主な応募資格:
・41歳以下。
・博士号を取得8年未満または、取得見込み。
助成額:700万円/年×1年
採用枠:5件以上
注意事項をみる限り、勤務病院からの応募は難しいようでした。
つまり、学内選考で選ばれる必要があります。
武田科学振興財団 海外研究留学助成
主な応募資格:
・38歳以下。
・MD+PhD, PhDは見込みでも可。
・留学中の年間収入が本奨学金を除いて600万円以下。
助成額:
・海外渡航費往復40万円 + 滞在費 480万円/年 × 最長4年
・留学1年半後に、延長の可否、延長期間を再審査。
採用枠:10件
採用年数が長いのが特徴です。
学内推薦を頂けたので応募しました。
「戸籍謄本」「健康診断書」「語学能力の証明書写し」などの必要書類が多く、申請した中では準備が最も大変でした。
日本呼吸器学会 海外留学助成金
主な応募資格:
・45歳未満。
・会員歴5年以上。
・留学の受入側から給与がない(附則あり)。
・他の助成金との重複不可。
助成額:300万円/年×1年
採用枠:4名
門戸が狭いためか、2020年は9月の締め切りが11月に延長されていました。
私は条件を満たさなかったので、応募出来ませんでした。
2022年から3年間限定で助成条件が緩和されているようです。
10月
山田科学振興財団 海外研究援助
主な応募資格:
・日本国籍を有する研究者、もしくは日本の研究機関に所属する研究者。
助成額: 100万円・200万円(申請区分に依存)
採用枠: 「過去の実績」を拝見する限り恐らく10名以内
推薦にあたり、学内選考は必要なかったと記憶しています。
細胞科学研究財団 育成助成
主な応募資格:
・財団理事または評議員の推薦。
・40歳以下。
助成額: 120万円/年×1年
採用枠: 10件
財団関係者の推薦が必要なのが最もネックです。
一応大学内に評議員の方がいましたが、戦況をみつつ応募しませんでした。
中谷医工計測 技術交流助成 留学プログラム
主な応募資格:
・テーマ:BME ( Bio Medical Engineering )分野
・40歳以下。
・大学院生は留学先で博士課程に入学する者。
・既に留学中の者は対象外。
助成額:月額50万円 + 渡航費 上限30万円
採用枠: 「助成実績」を拝見する限り4~6名か?
年2回の公募あり。締め切りは4月と10月。
11月
新製剤技術とエンジニアリング振興基金 海外留学研究助成金
主な応募資格:
・「製剤開発」「製剤技術」「製剤プロセスエンジニアリング」の3分野いずれかの研究。
助成額:100万円/件
採用枠:最大2件
自分の研究テーマが該当しないのと、戦況をみて応募しませんでした。
12月
中外創薬科学財団 海外留学助成
主な応募資格:
・35歳以下
・研究テーマ:生命科学研究・創薬基盤研究・創薬応用研究
助成額:450万円/年x最長2年(航空券は別途支給)
採用枠:1・2期併せて4件
年2回の公募あり。1期は6月、2期は12月が締め切りです。
自分が応募した頃には、なかった助成金です。
2月
渡邉利三国際奨学金
主な応募資格:
・40歳以下
・科学・技術・医療等の分野
助成額:月額15万円(留学期間に応じて最大10ヶ月間支給)
採用枠:10名程度

以上が、私が調べた限りの留学助成金のリストでした。
今回、取り上げたもの以外にはAMEDでも様々な助成を行っているので、一度確認してみる価値があると思います。ただし、応募条件が複雑だったり、年度によって異なるのでこの記事では割愛しました。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!




