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「人望が集まる人の考え方」徹底解説:自尊心を満たし、人間関係を劇的に変えるヒント


先日、『人望が集まる人の考え方』という本を読んでみました。どんな本でも「自分との相性」があると思いますが、この本は特に相性が良かったようで、読み進めるほどに「学びが大きいな」と感じることができました。人間関係がスムーズにいくメリットは想像以上に大きいと思いますが、実際に「どうすれば周囲から自然と協力が得られるのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本書では、単に「人に好かれる」ためのテクニックだけでなく、「お互いの自尊心を満たしあうことでチームや組織全体がうまく回る」という考え方が繰り返し語られています。私自身、まだまだ実践できていない部分は多いものの、今後はこの本の教えを意識して行動し、より良い人間関係を築きたいと思いました。

とてもおすすめの一冊なので、少しでも興味を持たれた方は、ぜひ原著に目を通してみてください。ここから先では、私がとくに印象深かったポイントを整理しながら、「人望を集める思考法」と「人間関係を好転させる具体策」についてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください!

この記事はこんな人にオススメ!
  • 上司・リーダーとしてチームをまとめたい
  • 家族やパートナーとのコミュニケーションを見直したい
  • 部下や後輩の育成に悩んでいる
  • 人望を高めてビジネスチャンスを広げたい

人間関係を大きく左右する「自尊心」の扱い

相手の自尊心を満たせば、およそ好意的な態度をとってくれる(p45付近、p48 ほか)

本書で繰り返し示されるキーワードが「自尊心」です。どんな人でも「自分を認めてほしい」「大切に扱ってほしい」という願いを持っている、という考え方が印象的でした。職場や家庭などでトラブルが生まれる原因の多くは、実は“能力の問題”ではなく、“自尊心が傷つけられている”ことにあると説かれています。

ほめ言葉の習慣

相手の良い部分を見つけて短い言葉でもいいから毎日伝える(p29, p225 ほか)

形式的ではなく、具体的に「どの点が優れているのか」を伝えることで、相手にエネルギーを与えられる(p216, p225)。この「具体的にほめる」習慣は、相手だけでなく自分自身の幸福感も高めるというのが大きなポイントでした。

幸福や成功は“奪い合い”ではない

「自分が成功すると他人の成功を奪うことになる」と思うのは誤り(p6, p8 ほか)

自分が幸せや成果を得ると、なぜか周りの人が損をすると考えてしまう人がいます。しかし本書では、それは完全な勘違いだと断言。むしろ、周りがうまくいくほど自分にもプラスになるし、自分が豊かになることで周囲にも恩恵をもたらせると説かれています。

人間関係の技術こそが成功の鍵

成功の85%は性格的要因(特に他人とのかかわり方)が大きい(p23, p24)

職場で高度なスキルを持っていても、周囲との関係づくりが下手だと評価されずに終わりがち。反対に専門知識が平均的でも、「他人を尊重する姿勢」や「感謝の言葉」を欠かさない人は、結果的により大きなチャンスを手にしているケースが多いと著者は指摘しています。

相手を動かすコツは“相手が望むもの”を与えること

「相手に求める前に、相手が欲しがっているものを提供してみよう」(p6)

本書では、相手が求めるものを理解し、それを先に与えることで好循環が生まれると繰り返し述べられています。とりわけ自尊心や「自分を認めてほしい」という欲求へのアプローチは、最短ルートだという視点が印象的でした。

「相手のメンツを守る」説得や協力の依頼術

自分の意見を押し通すのではなく、相手に考えを述べさせ、賛同できる点はしっかり認める(p181, p184)
  • 100%勝とうとしない(p184)。
  • 相手に少しでも正しい部分があれば素直に認めると、相手もあなたに譲歩しやすい。
  • プレッシャーをかけず、脅しで動かそうとしない(p181)。
  • 脅しや威圧で従わせると一時的に成果が出ても、長期的には大きなトラブルを招く。
  • 自分の意見に相手を巻き込む際は「あなたの知恵も借りたい」と伝えると、相手の自尊心を刺激でき、協力を得やすくなる(p199)。肉体労働を伴う協力依頼だけではダメ。

良好なコミュニケーションを生む「聞く姿勢」

“聞く”という行為を徹底するだけで「頭のいい人だ」と評価される(p167 ほか)

人は誰しも自分について話したい気持ちが強いもので、「自分のことばかり話す人」にはどうしても苦手意識を持ちやすいですよね。本書では、意識的に相手に話させることで、相手の警戒心が解け、あなたへの好感度も上がるという流れがわかりやすく解説されています(p154-156)。

話をさえぎらず、相手の話題が終わるまで待つ(p176)

相手が言いたいことを引き出すには、適度な相づちや質問が有効(p169)。こうした「傾聴」は、相手の求めるものを知るうえでも非常に重要だと再認識させられました。

「からかい」「皮肉」は百害あって一利なし

周囲を笑わせようと軽い気持ちでからかったり皮肉を言うと、実は相手は不快に思っている(p160)

著者いわく、多くの人は「言われた側も面白がっている」と思い込んでいるが、実際はかなりの確率で負の感情を抱かせているそうです。結果的に人間関係を悪化させる大きな原因になるため、絶対に避けたほうがよいというメッセージが強調されています。

「注意」や「叱責」を上手に伝える方法

  • 人格を否定せず、行為だけを指摘し、一度で終わらせる(p231)。
  • 一対一で注意する(p231)。人前で叱られると、相手のメンツが立たず、逆効果。
  • 叱る前に褒める要素を入れる(p231)。最初からダメ出しだと相手の意欲を削ぐだけ。
  • 最後は励ましで締めくくる(p231)。ネガティブな印象を軽減し、「次は頑張りたい」と前向きに行動してもらう。

これらはリーダーや上司だけでなく、家庭や友人間でも使える、建設的なコミュニケーションのヒントだと感じました。

相手との関係を深める「受け入れる・認める・尊重する」の3ステップ

人をあるがままに受け入れ、長所を探し、相手を大切な存在として扱う(p129)
  • 受け入れる:相手の価値観や欠点も含めて尊重し、「この人はこういう人なんだ」と認識する。
  • 認める:長所や成果を見つけて「知っていますよ、見ていますよ」と伝える。ささいなことでもOK。
  • 尊重する:特別扱いとまではいかなくても、「あなたの意見を大切に思っている」という態度を示す。

この3ステップが習慣化されれば、相手はもっと自分を信じて行動してくれるようになる、と解説されています。

まとめ

本書『人望が集まる人の考え方』では、私たちが普段何気なく行っているコミュニケーションを改めて振り返り、「どうすれば自分も相手も気持ちよく、しかも成果につながるか」という視点で多角的に解説しています。いくつか要点をピックアップしましたが、どれもビジネスシーンはもちろん、家庭や友人関係にもそのまま応用できそうです。

特に「自尊心を守るコミュニケーション」の重要性は、読めば読むほど腑に落ちる部分が多いと感じました。もし興味を持たれた方は、ぜひ原著を手に取ってみてください。あなたの人間関係やリーダーシップのヒントがきっと見つかるはずです。

(参考文献)
書名:『人望が集まる人の考え方』
原著タイトル:“How to Have Confidence and Power in Dealing with People”
著者:レス・ギブリン (Les Giblin)
翻訳:弓場 隆
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2016年7月14日
注:本記事は著書の要点を私自身の解釈で再構成したものです。実際の文章は、該当ページを含め著作権法に抵触しないよう引用部分を避け、要約という形でご紹介しています。正確な表現や全体像を知りたい方は、ぜひ原著をご覧ください。