ブログ関連

【まとめ】著作権は大丈夫?ブログで論文を紹介するときの注意点!

Blogging with Care: Understanding Copyright When Discussing Academic Papers

アメリカの研究留学が近づいており、論文を読んで最新の知見に追いつく必要性がでてきました。

当初、論文内容を効率的にインプットするために、このブログで「一人抄読会」を開催するつもりでした。

しかし、色々と調べてみると、どうやら「著作権」の問題があるようです。

調べた限りでは、論文内容をブログで紹介することはポイントさえ押さえれば可能ですが、当サイトでは一旦保留にしたいと思います(詳細は後述)。

 

今回、著作権について色々と調べたので、そこから学んだ内容を記事にしてみました。

ネットで論文の要約を掲載しようと考えている方など、一見の価値があるかもしれません。

ただ、免責事項ですが、今回調べた内容はあくまでネット上の情報を取りまとめたものになります。

法律は専門外であり、本記事は参考程度に扱って頂ければと思います。

 

Copyright

概要

今回、著作権について改めて学んだところ、ネット上で論文の内容を紹介する時の主だった注意点として、それが「引用」の範疇を超えて、「転載」になる可能性が挙げられました。

それぞれの用語について、簡単に説明しておきます。

引用:短い文章をそのまま紹介することを指し、一般的に持ち主の許諾は必要なし。

転載:長い文章(または、図表)を紹介することを指し、こちらは持ち主の許諾が必要。

「引用」と「転載」については、より詳細な定義付けがされており、著作権の関連用語についてもっと知りたい方は、他稿をご確認下さい。

 

調べた限り、WEB上で「転載」できそうな論文は以下の3パターンでした。

  1. Creative Commons の形式で公開されている論文
  2. ジャーナルの方針で「転載可能」なことが明記されている論文
  3. Copyright Clearance Center が提供する Rightslink で承諾が得られた論文

Creative Commons については、以下の公式ページが分かりやすいです。

参考:クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは|creative commons JAPAN

 

基準を満たしそうな論文

私が比較的よく読む論文で、それぞれに該当しそうなジャーナルを列記しました。

ちなみに、各ジャーナルによって「非営利」などの別個の条件が幾つか要求されてきます。

1. Creative Commons の形式で公開されている論文

Nature Communications

Cell Reports

PLOS ONE

Scientific Reports

など

 

2. ジャーナルの方針で「転載可能」なことが明記されている論文

PNAS など

 

3. Copyright Clearance Center が提供する Rightslink で承諾が必要な論文

上記以外のジャーナルの多く。

ジャーナルのリストアップについては、以下のサイトが参考になりました。

参考:学術雑誌の著作権に対する姿勢|ULTRABEM

Nature Communications は、研究者としては多大な出版費用がかかるので近寄りがたい存在でしたが、改めてブロガーの視点に立つとオープンアクセスを採用しており「非常にありがたい存在だったんだな」と考えを改めました(笑)

 

ちなみに、3.のように、多くのジャーナルは著作権管理を Copyright Clearance Centerという企業に委託しています。

この場合、論文を様々な用途で使用するには、この企業が提供するRightsLink というシステムから承諾を得る必要があります。

無料のこともあれば、お金を払わなければ転載できないこともあるようです。

私が一番よく読むAACR系のジャーナルは、例に漏れず、こちらのシステムを採用していました。

論文掲載サイトについて

具体名は避けますが、ネット上では「読んだ論文を紹介する」ことを斡旋しているサイトがあります。

そういったサイトでは著作権の問題を「どう対処しているのかな」と思って参考までに確認してみました。

しかし、利用規約をしっかり読むと「紹介する論文の著作権は個人で把握して下さい。運営は著作権の問題には一切責任をとりません。」といった文言が、さらっと書いているではありませんか。

つまり、こういったサイトに論文の著作権を確認せずに要約などを掲載した場合、実は法に引っかかってしまう可能性があり、注意が必要そうです。

ちなみに、著者自身が掲載する分には、その制限はだいぶ緩くなります。

 

まとめ

以上、論文の著作権についてでした。

正直なところ、ネットや学会など、色んなところで自分の論文を紹介してもらった方が「著者的にもジャーナル的にも美味しいんじゃないかな」と思います。

また、ネットで論文内容を紹介して、実際に問題となったケースはあまり聞きません。

しかし、「だからいいや」というわけにはいかず、自分の身を守る上でも著作権について少し知っておいてもいいと思います。

 

最後に、今回「一人抄読会」を保留にした理由について。

まず、1つ目は著作権によって掲載できる論文がかなり制限されてしまうことが挙げられました。

なので「これは凄い!ぜひ共有したい!」と思った論文も記事には出来ない可能性がありました。

 

2つ目に、実は著作権の範囲内で2, 3つほど論文を紹介する記事を書いてみましたが、結果的にかなりマニアックな内容でした。

これだと「自己満足で需要ないな」と感じたので、今回は「一人抄読会」の開催は保留にしました。

 

話が少し脱線しましたが、以上が論文の著作権についてでした。

最後まで読んで頂きありがとうございました。